ある晴れの日
今日は2組のカップルと、メガネさん、いつもお隣でバラを買ってから立ち寄ってくれるおばあちゃま。
カウンターの椅子は背もたれがないからテーブルをすすめたこともあるのだけれど、
大丈夫よと、いつもカウンターです。
おばあちゃまと呼ぶのは失礼すぎるくらいお綺麗な佇まいで、わたしの憧れです。
おばあちゃまとの会話を楽しみながら、コーヒーを淹れていると、
女性のお客さんが話しかけづらそうに近寄ってきます。
ごめんなさい、おしゃべりに夢中になっちゃって。
あ、お手洗いですね、突き当り左のドアです。
右はスタッフルームなので。…
ちょっと気を遣わせちゃったかしら。
そうだ、この前の駐輪場みたいに、トイレマークも分かりやすく表示しよう。
そう思って、PCで検索していると…
ー いつもの、もらおうか
あら、コトブキさん。いらっしゃい。え?これ?そう、トイレ用のマーク。
壁にステッカーでも貼ろうかと思うんだけど…なんかちょっとイマイチなのよね。
目についたほうが良いのだけれど、あまり目立ちすぎるのもね。
お店のイメージに合わないっていうか・・・。はい、お待たせしました。コーヒーとレモンケーキ。
ー ふー、ふー。ふー。ゴクゴク。
なんかこう、うちの店にあう感じのないかしらね。
と、コトブキさんがおもむろにペーパーナプキンに絵を描き始めた。あら、その万年筆ステキじゃない。
サラサラと描き上げたものはトイレマーク、なんだけど…メガネかけてる!笑
ー そこのメガネがモデルだ
そう言って、メガネさんを見る。咳き込むメガネさん。
するとおばあちゃまが、あら可愛いわねと、のぞき込む。それなら、ハロウィンにはカボチャをかぶってもいいわね。クリスマスはサンタさん?なんて、コトブキさんと盛り上がり始める。
確かに、それも良いかも!みんなが知っているマークだからこそ、
手書きでアレンジしたって分かるわよね。お店の中なら、ちょっとくらい遊び心があってもいいじゃない。ちょうど小さな黒板が余っていたから、チョークで描いちゃおう。
とりあえずは…シルクハットと蝶ネクタイでもつけておこうかな。
はじめてのお店でトイレに行きたいときに、すぐ店員さんに聞ければいいですが、
店員さんがフロアにいなかったり、忙しそうにしていると聞きにくい時もありますよね。
トイレマークはやっぱり大切!
お客さまのためにも、ちゃんとトイレマークをつけておきたいですね。
かわいければ、なんでもOK!