ある晴れの日
今日は定休日。久しぶりのお休みなので、隣町まで足をのばしてショッピングに来ています。
コトブキさんに色々とアドバイスを貰うようになってから、お店の看板につい目がいっちゃいます。
これも職業病かしら・・・なんて考えながら歩いていると
― あれ、ナンシーさん?
あら、いつもお店に来てくれるメガネさん。 こんにちは、こんなところで会うなんて、偶然ですね!
― 僕、職場がこの近くなんですよ。
そうなんですね、今は休憩時間?
― はい。ちょうど15時なので、息抜きに。
そうだ、すぐ近くにおしゃれなカフェがあるんですよ。 良かったら一緒にどうですか?
……あ、すみません。カフェを経営されている方に対して失礼でしたかね…
いえいえ、とんでもない!もともとカフェ好きが高じて、お店をやっているので、むしろ嬉しいです。
ぜひ、行ってみたいです。
― よかった!そこの角を曲がったところです。行きましょう。
メガネさんと並んで歩いていると、緑あふれる小道に、白い枠がステキな黒板タイプの看板。
そして、風が心地よさそうなカフェテラス…!お、お、おっしゃれ~!!
― 気に入ってもらえて良かったです。
・・・・思ったことがすぐ顔に出るタイプなんです。お恥ずかしい。
― 僕はドリップコーヒーとドーナツにしようかな。ナンシーさんは?
このメニューブックもステキ。フォトブックみたいになっているのね。 写真がいっぱいで、どれも魅力的。スイーツが豊富なのね、どれも美味しそう。
うちのお店も、フォトブック風にしてみようかしら。
このインデックスもいいなぁ。 あー、見てるだけでわくわくする…
― 色々あるから迷いますよね。
は!ごめんなさい、つい職業病が…。じゃあ、私はカフェラテとベリーワッフルをお願いします。
店員さんが、注文を復唱して、メニューブックを下げます。するとメガネさんが…
― あ、そのメニュー、そのまま置いておいてもらえますか?
店員さんは笑顔でメニューを残していってくれました。
― ナンシーさん、まだ見たいでしょ?
メガネさん!分かってらっしゃる!
そうなんです、作りこまれたメニューブックって、もうりっぱな読み物なんですよ。
眺めるだけでも良いし、次に来たときは何頼もうって考えるのも楽しいんですよね。
― ナンシーさんのお店は、すぐに下げてますね。
どうしても、置いてあると邪魔かなって思ってしまったりして。
でもお客さんによっては、下げないでほしい人もいますよね。今日改めて実感しました。
邪魔にならないよう置き場所を工夫してみようかな。
その前に、読みたくなるメニューブックを作らなくちゃ!
― 新しいメニューブック、楽しみです。
カフェテラスで心地よいひととき。新しい発見もあって良い休日です。メガネさんに感謝。
と、どこからか視線を感じる…。そっと道路に目を向けると…
― い、いつの間に君たちはそんな関係に…
そこには、いつものシルクハットをかぶったコトブキさん。
その手から、小難しそうな本がばさりと音をたてて、地面に落ちるのでした・・・。
つづく
このメニューブックのエピソードは私が普段感じていることでもあります。
ランチメニューやディナーメニュー、デザートにドリンク・・・
メニューブックはお店の個性が出るところなのでとても面白くて好きです。
ごくまれに、お店のコンセプトなんかも書いてあったりして。
お客様が必ず見るものだから、こだわって作って損は無しですよ!
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