ある晴れの日
興味を持ってお店を見てくれる人はいるけど、立ち寄ってくれる人はまだまだ少ない。
今日は、黒縁メガネの男性が外から覗いてくれていたけど、結局立ち去ってしまった。
早く看板の準備をしないとね。
悩みに悩んで、黒板タイプの看板にしたのだけど、どこからどう書けばいいのやら。
チョークを持っては格闘する日々。
― コーヒーを一杯もうらおうかな。
あら、いらっしゃい、コトブキさん。コトブキさん好みのブレンド豆の瓶に手をかける。
― ほう、黒板タイプにしたんだね。
ごめんなさい、散らかしていて。
ランチメニューは季節によって変えるから、すぐに変えられるのがいいかなと思って。
それで黒板にしたのだけど…私、驚異的に絵心もバランス感覚もないのよね。
だから全然進まなくって…。描いては消してを繰り返しているのよ。
みんな、どうやって、あんなにオシャレに描いているのかしらね。
はい、おまたせしました。さぁどうぞ、コトブキさん。
ー ふー、ふー。ふー。ゴクゴク。
いっそプロにお願いしたほうが良かったのかしら。このままじゃ、永遠に看板が出せないか、出せても下手すぎて、お客さん来なくなっちゃうんじゃ・・・。
ー まったく。張りきりすぎるのは、君の悪い癖だね。
はじめから、素晴らしいものを描こうとするからつまずくんじゃないか。
伝えたいことを伝えるために用意した黒板の看板なんだろ?
オシャレに見せるためだけだったら、他の方法を考えるべきじゃないかな。
・・・コトブキさんの言うとおりだわ。目的を見失っていたわね、わたし。でもね、そうは言っても難しいのよね、黒板って。 バランスもうまく取れないし、描いていると右上がりになっちゃって・・・
ー なら、これを使うといい。
それは・・・マスキングテープ?
そっか、マスキングテープを貼ってガイドラインにすれば、まっすぐ描けるかも!
しかもかわいい柄にすれば、そのまま貼っておいてもいいわね。
ー さらに、これだ 。
なあに?スマホのカメラ?
ー 最近のカメラアプリは、大変良くできているね。君もよく知っているだろう?
料理をおいしそうに撮影できるうえに、パソコンに取り込んで印刷もできる 。
そうか、アプリやパソコンで文字をいれてしまえば、描くのが苦手な私でも出来るかも。というか、描かなくてもマグネットで貼れば、それだけで、伝えたいことは十分伝わるよね。黒板を選んで失敗したと思っていたけど、描くためじゃなくて、貼るための看板にしてしまえばいいんだわ!
ー ちなみに写真は、出来るだけ明るい時間帯に自然光を取り入れて撮ると、
美味しそうにみえると聞いたことがある。
そういってコトブキさんは出ていきました。
コトブキさんの手でスマホは反応するのね。今日一番の発見でした。
コトブキさんはスマホ持たない派だと思っていたので、普通に使いこなしていることに驚きですね!
さて、今日ナンシーが学んだことは
①なんのために看板を置くのかを見失わない
②アイデア次第で、伝えたいことが伝わるステキな看板になる
ということです。ステキな看板を見て、黒縁メガネさんが来店してくれるといいですね。
手描きが苦手な人のための、アイテムと小ワザ。
マスキングテープを使った方法は、こちらも参考にしてくださいね。
⇒ 【よみもの記事:手描きが苦手な人のための、アイテムと小ワザ】
黒板をよく書替えする方は・・・
黒板タイプの看板にに文字を書くとき、看板の前にしゃがんで作業しませんか?
ちょっと大変だし、とても書きにくいですよね・・・
黒板をよく書替えする方は、黒板部分を抜き出せるタイプのものを選ぶと、板の部分だけ引き抜いてテーブルで書くことができるので、とても描きやすくオススメですよ!
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